ウエストワールド

【考察】ドロレスの秘密~ウエストワールドを10倍楽しむ!

Dolores Abernathy

 

 

ウエストワールドのヒロイン「ドロレス・アバーナシー」を検証

神秘的な美人女優エヴァン・レイチェル・ウッドを初めて見たのがこのウエストワールドでした。
 
初めて見た時CGで修正してるの?と思うほどの美人でびっくりしました。
 
ドロレスについて考察することはウエストワールドの謎を解く鍵だとおもったので、手前勝手な解釈ですがあれこれ考えてみました。
 
※この記事はネタバレを含みます
 
ドロレス・アバナシーは海外ドラマ「ウエストワールド」のヒロインです。
彼女を知ることはウエストワールを知ることに繋がると言っても過言でないほど重要なキャラクターです。

 

私は何度もウエストワールドを繰り返して観ていますが、聖書とのつながりが大きいと感じていました。
 
ただ、配役名が聖書にちなんでいないと思っていたので考えすぎかと思っていたと同時に、ドロレスという名前に違和感を覚えていました。
 
それは、アメリカの作品なのに名前が英語っぽくないからです。
 

フォードやテディなどはアメリカっぽい名前なのに、主役のドロレスがアメリカっぽくない。
 

ロケ地を探しているときに偶然ドロレス(ドローレス)という地名を見つけたとき思いました
「ドロレスという名前はきっとアメリカ西部開拓時代に入植していた国の名前ではないか?」と。
 

 

ドロレスという名前を掘り下げてみる

「ドロレス・アバナシー」をアルファベット表記すると
“Dolores Abernathy”
となります。

 

このDoloresと言う単語を調べてみると、スペイン語だと言うことがわかります。

 

そして、スペイン語が公用語であるアルゼンチンのブエノスアイレスにドロレスという小さな町があります。

 

 

ドロレスという町は1810年に始まった比較的新しい町です。
経済活動拡大のためにインディアンを従え領地拡大を武力によって実施していた時代に、議会による民主的な方法で採決した民主主義の発祥地とされています。

 

さらに、ドロレスと言う名には重大な意味があります。
doloresは地名や名前に使われていますが、doloresの元になったものをスペイン語表記すると「de los dolores」となり、これは聖母マリアを意味します。

 

また、ドロレス(dolores)の前にある冠詞の「de los」に注目すると面白いことがわかります。

 

この冠詞「de los」を繋げると「delos」となりますが、これは「ウエストワールド」を運営する会社「Delos」社と同じです。

 

デロス社について

 

デロス(Delos)社はローガン・デロスが率先してウエストワールドの運営権を購入するよう父親であるジェームス・デロスに進言して実現しました。

 

デロス社はウエストワールドを「自分自身を知るために自分の殻から出る事ができる場所。 あなたの本能の中にしか存在しない自由である。」と定義しています。
これはパーク内でローガンがウイリアムにしきりに言っていたことと一致します。

 

「de los dolores」のさらに原型は「La Virgen de los Dolores」(悲しみのマリア)となり、このdoloresは「献身・痛み・悲しみ」という意味を持ちます。
マリアは神によって処女懐胎をして神の子イエス・キリストの母となった女性です。

 

ドロレスが聖母マリアであると考えてウエストワールドを観ると理解が深まると思います。
 

ドロレスの名前をスペイン語にすることで視聴者に気づかせない脚本や監督の演出だと思いました。
英語表記にしてしまうとマリア・アバナシーとなってしまい、平凡な物語に感じてしまう気がします。
 

 

マリア7つの苦しみ

キリスト教カトリック派の福音には「7つの苦しみ」という表現があり、イエス・キリストの生涯の7つのエピソードを指しています。イエスの母であるマリアがイエスと共に苦しみに耐えたという意味でもあります。
 

・1つ目の苦しみ
ルカの福音書2章22節〜35節 「処女懐胎」
当時のナザレ(イスラエル近郊)では結婚前の女性が姦淫してはならないという規律があり、ヨセフと婚約していたマリアが子を宿した事が重罪でしたが、マリアは潔白でした。
 

神の貢げで子を宿したことを夫となるヨセフに伝えるとヨセフはマリアを信じ結婚します。
そもそもマリアが嘘をついていた、アバズレだったという考え方もありますが、この当時に自分から結婚前に子供ができたことを誰かに告げることは死を意味します。
 

また、それを許したイエスの父ヨセフの寛大さも注目点です。
 

ここでマリアをドロレスと考えると、ドロレスは生殖機能を持たないアンドロイドでありながらバナードを作り出しています。

 

・2つ目の苦しみ
マタイの福音書2章13節〜15節
当時の王であるヘロデに側近の預言者がナザレのマリアが産む子供を殺すように進言します。今度は父であるヨセフに神からのお告げがあり、しばらくの間エジプトに逃げろと言われます。
 

ヨセフは臨月のマリアを連れて遠く400kmほど離れたエジプトに向かいます。
 

ドロレスに当てはめてみると、テディとパークの果てへの長い旅をしています。

 

・3つ目の苦しみ
ルカの福音書2章41節〜50節
イエスが12歳になった時、迷子になったイエスを探すと両親には理解できないことを民衆に話していました。
 

イエスをバナードとすると、ドロレスたちと別行動を取ったバナードの考え方が自分たちと違うことに戸惑ってしまったことと同じです。
 

また、探すという点では父であるピーター・アバナシーを探すことにも共通します。

 

・4つ目の苦しみ
イエスが十字架を背負ってゴルゴダの丘に向かう時の痛みをマリア自身も自分のものとして感じること。
 

これはドロレスがメイズシナリオを解くためにメイヴが道を開くところを見守っていることに通じます。

 

・5つ目の苦しみ
ヨハネの福音書19章17節〜30節
旧約聖書の預言を成就さるためにイエスが自身を犠牲にすること。
 

ドロレスはアーノルドの願いを叶えるためにアーノルドを殺します。

 

・6つ目の苦しみ
マルコの福音書15章42節〜46節
マリアがイエスの亡骸を引き取り墓に納めること。

 

・7つの苦しみ
ヨハネの福音書19章38節〜42節
イエスのために掘られた墓ではないところに自分の息子を埋葬すること。

 

6、7つ目の苦しみに該当するところはこれまでのストーリーではまだ無いように思います。
1〜5についてもちょっと強引かもしれませんが、ウエストワールドの根幹が聖書をなぞらえていることに視点をおけば、あながち的外れでもないと私は思います。

 

ウエストワールドが聖書に沿っている点は他にもあります。
シーズン1の1話でフォードが
「洞穴からラザロを呼び出せるかも」
と言うシーンがありますが、ラザロとは新約聖書でイエスが病気で死んだラザロを生き返らせた奇跡をさします。
(ヨハネの福音書11章44節)
 
ウェストワールドを聖書としてみると今後の展開が予想できるかもしれません。
 

 

ドロレスという名がつく地名

聖書にでてくる人物の名前は地名になることが多いです。
ブエノスアイレスのドロレス以外でも、ウエストワールドのロケ地から南西に200km行ったところにドロレスという名前の町があり、そこから北に向かった場所にはドロレス川が流れています。
 

 

 

 

ウエストワールドシナリオにおけるドロレス

ドロレスは母と父であるピーター・アバナシーと共に牧場で暮らす最古のホストです。
 

ガンスリンガー(拳銃使い)シナリオで鍵となる重要な役割であると同時に、メイズ(迷路)シナリオでも重要な役割を担っています。

 

第1話ではハエがドロレスの眼球に止まっても微動だにしない設定だったのに、ピーター・アバナシーのエラー?が引き金となり、1話終盤でハエを叩き潰すようになってしまいます。

 

回を増すごとに変わっていくドロレスは最終的にどうなってしまうのか?
 

 

 

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