大仏廻国

クラファン映画試写「大仏廻国」観てきた感想+ロケ地など

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『大仏廻国(だいぶつかいこく)The Great Buddha Arrival』の試写行った感想やロケ地スタッフなどをご紹介します

 

クラウドフアウンディングで製作された「大仏廻国」の試写会にいってきました。

 

監督から本作の説明やキャストの方たちの挨拶などもあり貴重な体験ができたことを嬉しく思います。

 

大仏廻国は1934年に公開された映画ですが、戦争などによってフイルムが残っていないため視聴することはできません。

 

しかも80年以上前に上映された作品のため、大仏廻国を観たという方も見つけることができなかったので、どんな作品だったか?が全く不明です。

 

ただ、大枠のストーリーは現存する資料などから判明しているのですが、その内容がなんともぶっ飛んでいて・・・

 

 

あらすじ(1934年版)

愛知県東海市にある大仏がある日名古屋観光をするため立ち上がって名古屋の街を練り歩き、ひとしきり観光し終えると雲に乗って帰って行くというストーリー・・・

 

 

平成版 大仏廻国あらすじ

 

制作会社に勤める村田(米山冬馬)は番組制作で愛知県にある聚楽園大仏について調べていた。

 

取材を重ねているとこの大仏が歩き回ったことがあるという話を聞く。

 

大仏が歩いた理由を掘り下げていると臨時ニュースが流れ茨城の米山大仏が都心に向かい時速50km/hで歩いているという。

 

村田はすぐに現場に向かうがそこで枝正の幻を見る・・・

 

 

今回映画化された背景

 

こんなくだらないどうでもいい内容の映画がなぜ今回注目されたのか?

 

それは、この作品が日本初の特撮映画だったからです!

 

私たちが古い特撮映画と言われて思い出すのが「ゴジラ」や「ウルトラマン」ではないでしょうか?

 

ゴジラの初演は1954年(昭和29年)でウルトラマン(ウルトラQ)は1966年(昭和41年)です。

 

今回再映画化された大仏廻国は1934年(昭和9年)です。

 

監督は「枝正義郎」という人で特撮界のレジェンドとして知られる円谷英二監督の師匠にあたる方です。

 

円谷監督は枝正監督から映画の作成や特撮を学びウルトラマンを制作するに至りました。

 

そんな背景をもつ大仏廻国に興味を持った横川寛人監督がクラウドファウンディングで出資を募りました。

 

1回目のクラファンは「キャンプファイヤー」を使用しましたが、リターンが不明確であったため失敗に終わり企画がとん挫しそうになりますが、2回目のクラファンは「マクアケ」を使用し、リターンを明確にしたことで十分な資金を集めることができました。

 

2018年に話題となった「カメラを止めるな」とほぼ同額を集めましたがCGやロケハンに多くの資金を使用した感があります。

 

 

大仏廻国での生死感

 

本作は「三原山自殺事件」をベースに作られているとされています。

 

「三原山自殺事件」とは、大仏廻国が上映される前年の1933年、相模湾沖の東京都大島町の三原山の火口に飛び降り自殺をする人が続出し、年間で944人もの方が火口に身を投げたという事件です。

 

きっかけは2人の女性で、自殺願望を持つA子さんは「19歳になったら自殺する」という願望があり、友人のB子さんを誘って三原山へ向かいます。(この時すでに21歳)

 

友人のB子さんはA子さんの自殺を見届けて帰宅します。

 

その後B子さんはC子さんの自殺も見届けます。

 

2人の友人の自殺を見届けたB子さんは精神を病んで自宅で変死しているところを発見されました。

 

このことをきっかけに900人以上の男女が三原山の火口に身を投げました。

 

1934年に上映された大仏廻国の詳細は不明ですが、この事件が関係しているということで、平成版大仏廻国も集団自殺をテーマに組み込んでいます。

 

平成版大仏廻国はさらに現在の世界情勢や日本人の宗教観、現代社会のストレスなども映画に込めています。

 

映画では般若心経が流れたり、ザ・フォーク・クルセダースの「帰って来たヨッパライ」がエンディングで流れたりと終始死生観漂う内容でした。

 

ちなみに「帰って来たヨッパライ」8cm版CDでのカップリングが「悲しくてやりきれない」であり、同じくクラファンで資金を調達した「この世界の片隅に」のオープニング曲として使用されています。

 

「この世界の片隅に」も生死感を問う作品であるため、素晴らしい選曲だと思います。

 

 

未完成作品としての大仏廻国

 

平成版大仏廻国は未完成です。

 

2019年春現在で劇場上映は決定していません。

 

試写や限定上映、クラファンリターンのBlu-rayを観た人たちからの意見をもとに修正を加えることも考えているとのことです。

 

 

試写を観ての素直な感想

 

正直言って上映後、監督からの説明がなければ全く意味不明な作品でした。

 

現世を憂うことなく集団自殺を救うのが大仏なのか?

 

現世に見切りをつけて世界を崩壊させるほどの集団自殺により天国へ導く死の使者としての大仏なのか?

 

死生観を問うことが映画から全くくみ取れないことが残念です。

 

また、凝った映像編集を前面に出したいのか?般若心経を唱える古フィルム表現シーンが長すぎる上に観客に何を伝えたいかが全く無いのも残念です。

 

モノローグでもいいので映画の趣旨や背景などを伝えてわかりやすくしてほしいとおもいました。

 

ツッコミどころ満載で演技もほぼ棒読みで、トラクトと同じ画角の映像はでてきませんが、大仏廻国を撮り直したい!という着想はよかったと思いました。

 

 

撮影場所・ロケ地

 

聚楽園駅

 

 

東海市聚楽園

 

 

映像制作会社3Y

 

 

大仏が徘徊しているシーン

 

 

大仏が徘徊しているシーン

 

 

大仏が徘徊しているシーン

 

 

大仏が徘徊しているシーン

 

 

大仏が徘徊しているシーン

 

キャスト

ストーリーテラー:宝田明
枝正義郎:菊沢将憲
枝正の恋人:長谷川いく
村田:米山冬馬
ももるん:岩田桃夏(NMB48)
北山:ゆうま
間羽キャスター:安田崇
カナダ人インタビュアー:シェリー・スゥエニー
メアリー・リサ・グリーソン博士:ペギー・ニール
アメリカ人キャスター:ノーマン・イングランド
ドイツ首相:インゲ・ムラタ
アメリカ大統領:フィリップ・グレンジャー
謎の人物:ロバート・スコット・フィールド(カメオ出演)
マックスウェル・(トシ)ジェームズ:戸田年治
女性自殺者:青木愛
田中プロデューサー:大迫一平
板野アナウンサー:森田友希
物理学者:大槻義彦
超常現象研究家:韮澤潤一郎
大崎刑事:螢雪次朗

 

スタッフ

監督:横川寛人
脚本:横川寛人、米沢有機、米山冬馬、酒井健作(脚本協力)
大仏デザイン:米山啓介
音楽:篠田浩美
美術:浅井拓馬、山田果林、横川寛人
ポスタービジュアルデザイン:高橋ヨシキ
ブレーン:酒井健作
VFX:株式会社color
Special Thanks:佛原和義、守隨亨延
原作:枝正義郎『大仏廻国・中京編』
プロデューサー:横川寛人、エイブリー・ゲーラ
制作プロダクション​:株式会社3Y
アンバサダー:みうらじゅん

 

 

制作
株式会社スリーワイ

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